DTとは、「朝、目が覚めたとき、ベッドから起き上がる理由を持てるように手助けすること」。

オーストラリアDT協会 Peggy Skehan氏

オーストラリアから日本へ

ダイバージョナルセラピー(DT)は約50年前にオーストラリアで生まれました。ダイバージョン(Diversinon)とは、「気晴らし、娯楽、別の方向への転換」などを意味します。リハビリ施設でレクリエーションの訓練を受けたスタッフたち7名が始めたといわれています。

その人がいかなる状態・能力であっても、その人にとって価値のあるレジャーやレクリエーションなどの楽しみを経験することは、すべての人に与えられた権利である。(オーストラリア・ダイバージョナル協会宣言より)

DTは、単なる娯楽やレクリエーションの提供にとどまらず、セラピーを受ける人たちそれぞれの多種多様なライフスタイルや楽しみ、自分らしさを尊重し、人生を楽しむという思想と実践手法へと進化しました。
現在では、オーストラリア全土で約2,500名が、医師や看護師、理学療法士、作業療法士に並ぶ専門職として、高齢者施設や病院などで活躍しています。

日本では、2002年からDTの普及活動が始まりました。オーストラリアのそれを、日本人の特性に沿ってアレンジし、全国の高齢者福祉施設での導入が、日本ダイバージョナルセラピー協会(日本DT協会)によって推進されています。

DTの定義

DTの定義

日本DT協会は、ダイバージョナルセラピーについて、このように定義しています。

<定義>
ダイバージョナルセラピーとは、
各個人が、いかなる状態にあっても、
自分らしくよりよく生きたいという願望を実現する機会を持てるよう、
その独自性と個性を尊重し、援助するために、
「事前調査→計画→実施→事後評価」のプロセスに基づいて、
各個人の“楽しみ”と“ライフスタイル”に焦点をあてる
全人的アプローチの思想と実践である。

DT解説イラスト
<解説>
①DTは、各個人が、自分らしくよりよく生きたいという願望を実現することを援助するための思想と実践。
②その各個人が、いかなる状態にあったとしても、これの対象になる。
③その各個人の独自性と個性を尊重することが、これの前提である。
④各個人の“楽しみ”と“ライフスタイル”に焦点をあてる。
⑤その実践には、身体・心理・社会的立場などのあらゆる角度(全人的)からアプローチする。
⑥その実践は、「事前調査→計画→実施→事後評価」のプロセスによる。

DTの理解のために

〇オーストラリアDT協会の宣言
ダイバージョナルセラピーとは、クライエントを中心にした実践であり、各個人が、その人にとって価値のあるレジャーやレクリエーションを経験することは、その人の能力とは関係なく、すべての人に与えられた権利であると認める。

〇オーストラリア福祉の視点
「老いるとは楽しむこと、耐えることではない」。
オーストラリア連邦政府Aged Care省のブロンウィン・ビショップ大臣(1998年)

〇Diversion/ダイバージョンの意味
別の道(方向)に転換する
注意をそらす
気晴らし 娯楽
飽きさせない
工事などの迂回路

〇DTにおけるセラピーの意味
・その人が、よりよく、心地よく生きるために、意味のあることは、すべて“セラピー”となりうる。
・新聞を読むことも、花を育てることも、その人の身体的、感情的、社会的、スピリチュアルによい影響をもたらすなら、それは“セラピー”といえる


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