手紙
令和4年10月より
のんびり村通津の駐車場に
来ていただいている『岩国市 移動図書館』
実話をもとにした素敵な本を
入居者さまが借りられていましたので
この場を借りて、ご紹介させていただきます。
翻訳者のもとに届いた、一通の差出人不明のメール。
ポルトガル語で書かれた文書を翻訳すると・・・
「 手紙 ~親愛なる子どもたちへ~ 」 作者不詳(読み人知らず)
年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ
消え去ってゆくように見える私の心へと 励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを
悲しいことではないんだ
旅立ちの前の準備をしている私に 祝福の祈りを捧げて欲しい
いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
足も衰えて立ち上がる事すら出来なくなったなら
あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
私を理解して 支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっとそれだけで それだけで私には勇気がわいてくるのです
あなたの人生の始まりに 私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに 少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで 私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい
私の子供たちへ
愛する子供たちへ