2156

歩く、ということ。

ご存知のとおり、のんびり村は高齢者の方が利用される施設です。高齢の方は、それまで何の不安もなく歩けておられた方でも、ちょっとした病気やケガで、1ヶ月も入院されると、筋力が衰え、自力歩行が困難になってしまいます。

そんな時の為に、車椅子という自力で移動が可能な福祉用具がありますが、やはり「自分の足で歩きたい」という想いは強くもっておられる方が多く、厳しいリハビリも「いやじゃのう、やりとうないのう・・・」と言われながらも、熱心に取り組まれています。

のんびり村のある利用者様。約1ヶ月半の入院生活から復帰され、車椅子での毎日を送られていましたが、リハビリの先生の意見や、現場で本人と関わるスタッフが話し合い、4点式歩行器を使用してみる事になりました。

母体であるホームケアサービス山口のスタッフが、即座に対応。フロアで利用者様の体格や、おおまかな身体状況を見て、高さ等ある程度調整。その後、現場で実際に使用していただき微調整をします。

4点式歩行器は、以前も他の利用者様のことで記事にさせていただいたのですが、高さや重さがしっくりくれば、意外と初めてでもすんなり歩き始められる方が多いのです。

この利用者様も、1歩、2歩、3歩・・・4歩目辺りでほぼコツを掴まれ、安定した歩行をされはじめました。

ご自身の足で歩かれるのは、2ヶ月以上ぶり。確かに歩行器を使用してはいますが、自分の足で地面を踏みつけて歩く、歩ける様になる、というのは、やはり何ものにも代え難いものがあられるようで、私自身、この利用者様のこんな笑顔は、久しぶりに拝見させていただきました。

この仕事に携わり、一番やりがいを感じる瞬間でもあります。歩行器での歩行で足の筋力と感覚を取り戻していただき、一日も早く、この歩行器が不要になる日が来るのをスタッフ全員で応援し、待ちたいと思います。

また、福祉用具の専門家が同じ会社内に大勢いることの心強さを、強く感じる出来事でもありました。会社全体で、一人一人の利用者様を支援していく気持ちで、これまでは不可能だったり、困難だった事を可能にし、一つでも多くの笑顔と出会える様、頑張って行きたいと思います。