愛妻

M様は奥様の入院以降、日曜日や受診の後は身内の運転で面会に行かれています。
『T子さんどうでしたか⁈』
の問いかけに最近は
『寝とった。』
の返答。
会話のやり取りの中で
『ばぁちゃん、もうええ年だから…。』
と。

お盆中の日曜日にはご家族も帰省され病院へ見舞われました。
翌朝、危篤の連絡。
ご家族が迎えに来られましたが、
『昨日行ったからもう行かない。』
とM様。
たぶん前日の面会で最後のお別れされたのかも…。
日付が変わってまもなく永眠されたとのことでした。

翌日M様は亡くなった知らせを聴かれ、
『ばぁちゃん、女性の(平均)寿命を生きた、往生じゃ』
と、目頭をさっと押さえて話され
『ワシは100まで、食べる。フフッ。』
奥様への労いと寂しさを紛らわそうとした強がり⁈のフフッにこっちが感極まって…(T ^ T)

奥様の訃報を聞きつけお通夜に行くと来所したKさん。
デイルームに飾ってあった七福神のはり絵を観て、
『コツコツ何ヶ月もかけて貼っちゃったよねぇ…。』

『棺に入れてもらいたいなぁ』と口にしたら、スタッフ賛同、はり絵を託しました。
ご家族の御好意で棺に入れ火葬していただけたそうです。

T子様お世話になりました、ありがとうございました。
M様のことはお任せ下さい。どうぞゆっくりお休み下さい。

ご冥福をお祈り致します。 拝